流量計・バルブ選定で確認したい圧力損失
圧力損失とは、流体が流量計・バルブ・配管・継手などを通過するときに生じる圧力の低下です。 このページでは、圧力損失の基本、差圧との違い、流量との関係、流量計やバルブ選定時に確認したいポイントを分かりやすく解説します。
選定前のポイント: 圧力損失が大きいと、必要な流量が得られなかったり、ポンプや装置側の圧力条件に影響する場合があります。 流量計やバルブを選ぶ際は、流量範囲だけでなく、使用圧力・差圧・配管条件もあわせて確認することが大切です。
圧力損失とは
圧力損失とは、流体が配管や機器の中を流れるときに、摩擦や抵抗によって圧力が低下することです。 流量計、バルブ、フィルタ、継手、配管の曲がりなどを通過するときにも圧力損失が発生します。
たとえば、流量計の入口側で100kPa、出口側で90kPaだった場合、圧力損失は10kPaです。 この圧力の低下が装置の運転条件に影響しないかを確認することが重要です。
圧力損失と差圧の違い
差圧は、2点間の圧力差を表す言葉です。 一方、圧力損失は、流体が機器や配管を通過することで実際に失われる圧力を指します。
| 用語 | 意味 | 使われる場面 |
|---|---|---|
| 差圧 | 2点間の圧力差を表します。 | 入口圧力と出口圧力の差、差圧式流量計、バルブ前後の圧力差など。 |
| 圧力損失 | 流体が機器や配管を通過したことで低下した圧力を表します。 | 流量計、バルブ、フィルタ、継手、配管などの抵抗確認。 |
補足: 実務では、流量計やバルブの前後差圧を見て圧力損失を確認することがあります。 文脈によって近い意味で使われる場合もありますが、選定時には「どの2点間の圧力差か」を明確にすることが大切です。
圧力損失が発生する理由
圧力損失は、流体が流れるときの摩擦や、流路の変化による抵抗によって発生します。 流量計やバルブの内部構造、配管径、継手、曲がり、フィルタなども圧力損失に影響します。
機器内部の抵抗
流量計やバルブの内部には、測定部や絞り部などの構造があります。 流体がそこを通過するときに抵抗が生じ、圧力が低下します。
配管・継手による抵抗
配管が細い、曲がりが多い、継手やフィルタが多い場合などは、流体が流れにくくなり圧力損失が増えることがあります。
流量が大きいほど増えやすい
一般的に、流量が大きくなるほど流体の速度も上がり、圧力損失は増えやすくなります。
粘度や密度の影響
粘度が高い液体や、条件によって密度が変わる流体では、圧力損失の影響を確認することが重要です。
圧力損失と流量の関係
圧力損失は、流量が増えるほど大きくなる傾向があります。 特に、バルブや絞り、細い配管などでは、流量を増やすためにより大きな差圧が必要になる場合があります。
考え方の目安
一般的に、同じ流路条件では、流量が増えるほど圧力損失は増加します。
特に一般的な工業用配管で乱流状態になる場合、圧力損失は流量の二乗に近い関係で増加することがあります。 そのため、流量が2倍になると圧力損失は約4倍に大きくなる場合があり、常用流量だけでなく最大流量時の圧力損失も確認することが重要です。
バルブのCv値計算では、流量・差圧・比重の関係を使って、必要なCv値や流量の目安を確認します。
注意: 実際の圧力損失は、流体の種類、温度、粘度、配管形状、機器構造、流れの状態などによって変わります。 圧力損失の増え方は常に単純比例するとは限りません。 厳密な確認が必要な場合は、製品仕様や使用条件に基づいて検討してください。
Cv値・流量・圧力損失をWeb上で計算する
液体用バルブ選定の目安として、Cv値、流量、圧力差の関係を確認できます。 実際の選定では、製品仕様と使用条件もあわせてご確認ください。
流量計選定で確認したいポイント
流量計を選定する際は、必要な流量範囲だけでなく、圧力損失が装置条件に影響しないかも確認します。 特に、ポンプ能力に余裕が少ない場合や、低圧ラインで使用する場合は注意が必要です。
バルブ・Cv値と圧力損失の関係
バルブ選定では、流量と差圧の関係を確認するためにCv値が使われます。 Cv値はバルブの流れやすさを表す係数で、同じ差圧であれば、Cv値が大きいほど多くの流量を流しやすくなります。
| 条件 | 考え方 |
|---|---|
| Cv値が大きい | 同じ差圧で、より多くの流量を流しやすい傾向があります。 |
| Cv値が小さい | 流路抵抗が大きくなり、同じ流量を流すためにより大きな差圧が必要になる場合があります。 |
| 流量を増やす | 必要な差圧や圧力損失が大きくなる場合があります。特に最大流量時の条件確認が重要です。 |
Cv値・流量・圧力損失を計算する
液体用バルブの選定に役立つ、Cv値・流量・圧力差の目安計算ができます。 気体や圧縮性流体の選定では、使用圧力、温度、ガス種、標準状態などの条件も確認してください。
圧力損失を小さくする考え方
圧力損失を完全になくすことはできませんが、配管条件や機器選定を見直すことで、影響を抑えられる場合があります。
| 見直しポイント | 内容 | 確認する理由 |
|---|---|---|
| 配管径を確認する | 必要流量に対して配管径が細すぎないか確認します。 | 流速が高くなると圧力損失が増えやすくなります。 |
| 流量レンジを見直す | 過大な流量条件で選定していないか確認します。 | 実際の常用流量に合った選定がしやすくなります。 |
| 機器のCv値・仕様を確認する | バルブや流量計の流路抵抗を確認します。 | 必要流量を確保できるか判断しやすくなります。 |
| 継手・曲がりを減らす | 不要な継手や急な曲がりを減らせるか確認します。 | 配管抵抗を抑えられる場合があります。 |
ポイント: 圧力損失を小さくしたい場合でも、測定精度、流量範囲、設置スペース、材質、コストなどとのバランスが必要です。 使用条件に合わせて総合的に確認しましょう。
圧力損失に関するよくある質問
Q 圧力損失とは何ですか?
圧力損失とは、流体が流量計、バルブ、配管、継手などを通過するときに生じる圧力の低下です。 入口側と出口側の圧力差として確認することがあります。
Q 圧力損失が大きいと何が問題ですか?
必要な流量が得られない、ポンプに負荷がかかる、装置側の圧力条件に余裕がなくなるなどの影響が出る場合があります。 特に低圧ラインやポンプ能力に余裕が少ない場合は注意が必要です。
Q 圧力損失と差圧は同じですか?
差圧は2点間の圧力差を表す言葉です。 圧力損失は、流体が機器や配管を通過したことで低下した圧力を指します。 実務では、機器前後の差圧を圧力損失として確認することがあります。
Q 流量が増えると圧力損失は増えますか?
一般的には、流量が増えるほど圧力損失は大きくなる傾向があります。 特に一般的な配管ラインで乱流状態になる場合、圧力損失は流量の二乗に近い関係で増加することがあります。 たとえば流量が2倍になると、圧力損失は約4倍に大きくなる場合があります。 実際の値は、流体の種類、粘度、配管径、機器構造、流れの状態などによって変わるため、最大流量時の条件も確認することが重要です。
Q 圧力損失の目安を計算できますか?
バルブ選定に関する流量・差圧・Cv値の目安は、 Cv値・流量・圧力損失 計算ツール で確認できます。 なお、この計算ツールは主に液体用バルブ選定の目安確認を目的としています。 気体や圧縮性流体の選定では、使用圧力、温度、ガス種、標準状態などの条件も確認してください。
圧力条件に合う流量計・バルブをお探しですか?
圧力損失は、流量計やバルブを選ぶうえで重要な確認項目です。
流量、圧力、差圧、配管条件、流体条件を整理して、用途に合った製品をご検討ください。