カタログ条件と使用条件が異なる場合の考え方
面積式流量計は、カタログに記載された基準条件と実際の使用条件が異なる場合、 流体の種類・比重・圧力・温度などの影響により、流量範囲や指示値の確認が必要になることがあります。 このページでは、面積式流量計を選定・使用する際に知っておきたい補正の考え方を分かりやすく紹介します。
ご利用前の注意: 本ページは、面積式流量計の補正に関する基本的な考え方を説明するものです。 実際の機種選定や補正計算では、各製品カタログ・仕様書に記載された条件、補正式、適用範囲をご確認ください。 条件によっては補正式を適用できない場合があります。
面積式流量計の補正とは
面積式流量計は、テーパ管内のフロート位置によって流量を読み取る流量計です。 流量目盛は、製品ごとに定められた基準条件に基づいて設定されています。
そのため、カタログに記載されている条件と実際の使用条件が異なる場合、 気体ではガス比重・使用圧力・使用温度、液体では液体比重やフロート比重などを確認し、 流量範囲や指示値が使用条件に合っているかを検討する必要があります。
圧力・温度・ガス比重の影響を受けます
気体は圧力や温度によって体積が変化します。 また、ガスの種類によって比重が異なるため、カタログ条件と使用条件が異なる場合は補正確認が必要になります。
液体比重・フロート比重を確認します
液体では、使用液体の比重とフロート比重が補正に関係します。 ただし、粘度や構造条件によっては補正式が適用できない場合があります。
カタログ流量条件の考え方
面積式流量計のカタログ流量は、基準となる流体条件で表示されています。 代表的には、気体では AIR 1atm・20℃、液体では WATER 20℃ などの条件を基準にしている場合があります。
実際に使用する流体条件がカタログ条件と異なる場合は、カタログ上の流量範囲がそのまま使用条件での流量範囲になるとは限りません。 選定時には、使用条件に合わせて補正後の測定範囲が希望流量に合うかを確認します。
| 項目 | 気体用 | 液体用 |
|---|---|---|
| 代表的な基準条件 | AIR、1atm、20℃ など | WATER、20℃ など |
| 確認する主な条件 | ガス比重、使用ゲージ圧力、使用温度 | 使用液体比重、フロート比重、粘度 |
| 確認の目的 | カタログ流量範囲が使用条件で対応できるかを確認 | 使用液体での指示値や流量範囲の妥当性を確認 |
| 注意点 | 圧力単位、温度条件、ガス比重の扱いを確認 | 粘性の異なる液体や特殊構造では適用条件に注意 |
気体の場合の補正項目
気体用面積式流量計では、カタログ条件と使用条件が異なる場合、 使用ガス比重・使用ゲージ圧力・使用温度が補正項目になります。
カタログ上の AIR 1atm・20℃換算流量を基準に、使用最大流量を各補正項で割り戻して、 カタログ上で必要となる換算流量を確認する考え方です。
気体用面積式流量計の補正式例
式の見方: 使用最大流量に対して、使用ガス比重、使用ゲージ圧力、使用温度による補正項を考慮し、 カタログ上の AIR 1atm・20℃換算流量を確認します。 実際の単位や適用条件は、各製品カタログ・仕様書をご確認ください。
各補正項の変化イメージ
比重補正項、ゲージ圧力補正項、温度補正項は、それぞれ使用条件によって変化します。 下記のグラフは、補正項がどのように変化するかを確認するための目安です。
使用ガス比重と比重補正項
使用ガス比重が大きくなると、比重補正項は小さくなる傾向があります。
使用ゲージ圧力と補正項
使用ゲージ圧力が高くなると、ゲージ圧力補正項は大きくなる傾向があります。
使用温度と温度補正項
使用温度が高くなると、温度補正項は小さくなる傾向があります。
気体流量換算ツールとの違い: 気体流量換算ツールは、温度・圧力条件による一般的な標準状態換算の目安を確認するためのものです。 面積式流量計のカタログ流量補正では、製品カタログに記載された補正式や適用条件を確認してください。
設計条件と異なる条件で使用する場合の補正
すでに設計条件が決まっている気体用面積式流量計を、異なるガス比重・異なるゲージ圧力・異なる温度条件で使用する場合は、 設計条件と使用条件の差を考慮して補正値を確認します。
設計条件と異なる条件で使用する場合の補正式例
式の見方: 設計気体比重、設計ゲージ圧力、設計温度と、実際に異なる条件で使用する場合の比重・圧力・温度を比較し、 流量計指示値に対する補正値を確認します。 実際の補正では、対象製品の仕様や適用条件を必ず確認してください。
液体の場合の補正項目
液体用面積式流量計では、カタログ条件と使用条件が異なる場合、 使用液体比重とフロート比重が補正項目になります。 ただし、液体の場合は粘度の影響も大きいため、適用条件を必ず確認してください。
液体用面積式流量計の補正式例
式の見方: WATER 20℃換算流量を基準に、使用液体比重とフロート比重を考慮して補正します。 粘度や構造条件によっては補正式を適用できない場合があるため、実際の選定では各製品カタログ・仕様書をご確認ください。
| 確認項目 | 内容 |
|---|---|
| 使用液体比重 | 水以外の液体を使用する場合、液体の比重によってフロートの浮力条件が変わります。 |
| フロート比重 | フロート材質によって比重が異なるため、使用液体との組み合わせを確認します。 |
| 粘度 | 粘度が標準条件と異なる液体では、補正式をそのまま適用できない場合があります。 |
| 構造条件 | スプリング付流量計や特殊構造の流量計では、補正式の適用可否を確認する必要があります。 |
液体補正の注意: 粘性の異なる液体、スプリング付流量計、マグネット密封タイプなどでは、一般的な補正式が適用できない場合があります。 実際の選定では、使用液体名、比重、粘度、温度、流量範囲を確認したうえでご相談ください。
補正式を使うときの注意点
補正式は、カタログ条件と使用条件の違いを確認するために有効ですが、 すべての条件に一律で適用できるわけではありません。 使用流体や流量計の構造によっては、別途確認が必要になります。
| 注意点 | 確認内容 |
|---|---|
| 圧力単位を確認する | 気体補正では、ゲージ圧力を指定された単位に換算して扱う必要があります。MPa(G)、kPa(G)などの表記に注意してください。 |
| 1atm仕様とゲージ圧仕様を確認する | 流量計内部に圧力がかかるかどうかで、選定条件や目盛条件が変わる場合があります。 |
| 液体の粘度を確認する | 液体比重だけでなく、粘度が異なる場合は補正式の適用可否を確認してください。 |
| 補正後の流量範囲を確認する | 補正後の測定範囲が希望流量から大きく外れる場合、機種やレンジの見直しが必要になることがあります。 |
| 実際の目盛値とは異なる場合がある | 補正値は機種選定時の目安として扱い、実際の表示・目盛条件は製品仕様に基づいて確認してください。 |
選定時に確認したい条件
面積式流量計の補正確認を行う場合は、以下の条件を整理しておくと、機種選定やお問い合わせがスムーズになります。
関連ページ・技術資料・よくある質問
面積式流量計の補正を確認する際は、補正計算ツール、流量計の読み方、1atm仕様・ゲージ圧仕様の違いもあわせて確認すると、 選定条件を整理しやすくなります。 また、より詳しい補正式や技術資料については、技術資料ページおよびPDF資料をご確認ください。
詳しい技術資料を確認する
このページでは、面積式流量計の補正に関する基本的な考え方を分かりやすく整理しています。 より詳しい補正式、技術資料、関連する注意事項については、技術資料ページおよびPDF資料をご確認ください。
Q カタログ流量をそのまま使用条件に当てはめてもよいですか?
使用条件がカタログ条件と同じであれば、そのまま参考にできます。 ただし、気体のガス比重、使用圧力、使用温度、液体の比重や粘度などが異なる場合は、補正や機種選定の確認が必要になることがあります。
Q 気体流量換算ツールの結果を面積式流量計の補正に使えますか?
気体流量換算ツールは、温度・圧力条件による標準状態換算の目安を確認するためのものです。 面積式流量計のカタログ流量補正や機種選定では、各製品カタログ・仕様書に記載された補正式や適用条件をご確認ください。
Q 液体の場合は比重だけ見ればよいですか?
液体の場合は、使用液体比重とフロート比重が重要ですが、粘度も確認が必要です。 粘性の異なる液体では補正式をそのまま適用できない場合があります。
Q 補正後の流量範囲が希望流量から外れる場合はどうすればよいですか?
補正後の測定範囲が希望流量に合わない場合は、流量レンジや機種を見直す必要があります。 条件が分かる場合は、型式選定・お見積り依頼よりご相談ください。
面積式流量計の補正では、カタログ条件と実際の使用条件の違いを確認することが大切です。
流体名、比重、圧力、温度、流量範囲などの条件をご用意いただくと、よりスムーズに選定できます。