HOME | 技術情報 | 流量計スイッチの種類と選び方

流量計スイッチの種類と選び方

リードスイッチ・磁気スイッチ・センサの違い

流量計には、流量の上限・下限検知や警報出力のために、さまざまなスイッチやセンサが使用されます。 選定時は、検知方式、接点方式、出力方式、自己保持の有無、使用環境を確認することが大切です。

ご利用前の注意: 本ページは、流量計に使用されるスイッチ・センサの基本的な考え方を説明するものです。 実際の選定では、対象機種、流体、流量範囲、電源電圧、負荷条件、配線仕様、設置環境などを確認し、各製品カタログ・仕様書・取扱説明書をご確認ください。

流量計スイッチとは

流量計スイッチは、流量が設定値に達したときや、設定値を下回ったときに信号を出すための部品です。 流量の上限警報、下限警報、装置へのインターロック、シーケンサへの入力などに使用されます。

面積式流量計では、フロート位置を検知する方式として、リードスイッチ、磁気スイッチ、高周波型近接センサ、光電センサなどがあります。 使用する流体や設置環境、電気仕様によって適したスイッチが異なります。

警報・検知に使う

流量が設定値を超えた、または下回ったことを検知し、外部機器へ信号を出します。

検知方式が異なる

磁気を利用する方式、近接センサ、光で検知する方式などがあります。

電気仕様を確認する

接点容量、電源電圧、NPN・PNP、負荷条件、配線方式を確認します。

スイッチの種類

流量計に使用されるスイッチ・センサは、機種や用途によって異なります。 ここでは代表的な種類と特徴を整理します。

リードスイッチ

磁石を内蔵したフロートの位置を、リード素子で検知するタイプです。 無電圧接点として扱えるため、シンプルな警報出力に使われることがあります。

確認ポイント: 接点容量、接点保護回路、外部磁界、磁性体の影響、ヒステリシスを確認します。

磁気スイッチ

フロートの磁気を検知して出力するタイプです。 フロート近接時のON/OFF動作や、出力方式などの仕様を確認して使用します。

確認ポイント: 自己保持の有無、電源電圧、出力方式、負荷電流、ON/OFF動作を確認します。

高周波型近接センサ

高周波型の近接センサでフロート位置を検知するタイプです。 リードスイッチに比べて、外部磁場の影響を受けにくい場合があります。

確認ポイント: NPN・PNP出力、A接点・B接点、電源電圧、消費電流、ケーブル仕様を確認します。

光電センサ

投光・受光によってフロートの位置を検知するタイプです。 フロートが光を遮る、または光軸から外れることで検知します。

確認ポイント: 流体の色、気泡、光の透過状態による動作影響を確認します。

リードスイッチの回路例

リードスイッチの回路例。リード素子、OUTPUT、GNDを示した図。

ポイント: リードスイッチは磁気により接点が動作するシンプルなスイッチです。 接点容量や保護回路、外部磁界の影響を確認して使用します。

かんたん選定の目安

スイッチを選ぶときは、まず「何を検知したいか」「どのような信号で受けたいか」「設置環境に影響要因があるか」を整理します。 下記は選定時の目安です。

選び方の目安

実際には機種ごとの対応可否や仕様制限があります。詳細は製品仕様書や図面で確認してください。

上限・下限警報

設定流量を超えた/下回ったことを検知したい

A接点・B接点、自己保持の有無、ヒステリシス、設定範囲を確認します。

PLC・シーケンサ入力

外部制御機器へ信号を取り込みたい

NPN・PNP、オープンコレクタ、電源電圧、負荷電流、配線方式を確認します。

外部磁界が気になる

磁性体や外部磁場の影響を避けたい

リードスイッチでは磁性体や外部磁界の影響を受ける場合があります。設置環境を確認します。

液体の色・気泡がある

光電センサを使う場合

流体に色がある場合や気泡が混入する場合、光の透過や乱反射による動作影響を確認します。

A接点・B接点と動作範囲

流量計スイッチでは、設定値に対して流量が上昇したとき、または下降したときにスイッチがONになるように設定される場合があります。 代表的な表記として、A接点B接点があります。

A接点

設定値より流量が上昇するとON

設定した流量値を超えたときにONする考え方です。 上限警報や流量到達確認などで使われることがあります。

B接点

設定値より流量が下降するとON

設定した流量値を下回ったときにONする考え方です。 下限警報や流量低下検知などで使われることがあります。

A接点の動作イメージ

A接点の動作イメージ。流量上昇時にON、下降時にOFFとなるヒステリシスを示す図。

ポイント: A接点は、流量が設定位置を上昇方向に通過したときにONする考え方です。 ON位置とOFF位置にはヒステリシスが生じる場合があります。

B接点の動作イメージ

B接点の動作イメージ。流量下降時にON、上昇時にOFFとなるヒステリシスを示す図。

ポイント: B接点は、流量が設定位置を下降方向に通過したときにONする考え方です。 実際の動作範囲は機種やスイッチ仕様により異なります。

注意: A接点・B接点の動作や表記は、製品・スイッチ仕様により異なる場合があります。 実際の配線や制御では、必ず仕様書・取扱説明書でON/OFF動作を確認してください。

光電センサの動作例

光電センサは、投光側と受光側の光を利用してフロート位置を検知します。 フロートが光を遮る場合や、フロートが光軸から外れる場合に、出力状態が変化します。

フロートが光を遮る場合

光電センサの動作例。センサを最下部に設定し、フロートが光を遮る様子を示す図。

ポイント: センサ位置を通過したフロートが光を遮ることで、検知状態が変化します。 低流量側の検知や下限警報の考え方に関係します。

フロートが光軸から外れる場合

光電センサの動作例。センサを常用値に設定し、フロートが光軸から上下に外れる様子を示す図。

ポイント: フロートが光軸から外れることで検知状態が変化します。 常用流量付近の監視では、フロートの動きや気泡の影響にも注意します。

光電センサの注意: 流体に色がある場合、汚れや気泡がある場合、またはフロートの動きが安定しない場合は、光の透過や遮光状態に影響することがあります。 使用流体と設置条件を確認してください。

NPN・PNP出力の違い

センサ出力をシーケンサやコントローラへ接続する場合、NPN出力PNP出力の違いを確認する必要があります。 接続先の入力仕様に合っていないと、正しく動作しない場合があります。

NPN出力の配線例

NPN出力の配線例。+Vcc、OUTPUT、GND、負荷の接続を示した回路図。

ポイント: NPN出力は接続先の入力仕様、負荷、電源の取り方を確認して使用します。

PNP出力の配線例

PNP出力の配線例。+Vcc、OUTPUT、GND、負荷の接続を示した回路図。

ポイント: PNP出力はNPN出力と配線の考え方が異なります。接続先がPNP入力に対応しているか確認します。

NPN出力の配線例(茶・黒・青)

NPN出力の配線例。茶が+Vcc、黒がOUTPUT、青がGNDを示す回路図。

ポイント: 茶・黒・青などの線色は仕様により異なる場合があります。必ず製品ごとの配線図を確認してください。

PNP出力の配線例(茶・黒・青)

PNP出力の配線例。茶が+Vcc、黒がOUTPUT、青がGNDを示す回路図。

ポイント: NPNとPNPでは負荷の入れ方や信号の取り方が変わります。接続先の入力仕様と合わせて確認します。

項目 概要 確認ポイント
NPN出力 一般的にシンク出力として扱われる出力方式です。接続先の入力回路との組み合わせを確認します。 シーケンサ入力仕様、電源、負荷接続を確認します。
PNP出力 一般的にソース出力として扱われる出力方式です。NPNとは配線の考え方が異なります。 接続先がPNP入力に対応しているか確認します。
オープンコレクタ/オープンドレイン センサ出力の代表的な形式です。負荷やプルアップ条件など、回路側の設計確認が必要です。 定格電圧、定格電流、保護回路を確認します。

配線時の注意: NPN・PNP、電源電圧、負荷電流、接点容量は必ず仕様範囲内で使用してください。 サージ電圧やラッシュ電流が発生する回路では、保護回路の検討が必要です。

ヒステリシスと設定範囲

自己保持タイプのスイッチや磁気検知方式では、ONする位置とOFFに戻る位置に差が出る場合があります。 この応答差をヒステリシスと呼びます。

ヒステリシスがあるため、スイッチの設定範囲やON/OFF位置は、流量計の機種、フロート、スイッチ仕様、使用条件によって異なります。 各製品ページで設定範囲が目安として表記されている場合でも、性能を保証するものではないため注意が必要です。

磁気スイッチ・表示灯付きタイプの回路例

磁気スイッチや表示灯付きタイプの回路例。内部回路、表示灯、中継ボリウム、茶+DC24V、黒出力、青0Vを示す図。

ポイント: 表示灯付きタイプや調整部があるタイプでは、電源電圧、出力線、0V、調整範囲、表示灯の動作を確認します。

項目 内容
ヒステリシス スイッチがONする位置とOFFに戻る位置に差があることを示します。
設定範囲 スイッチを設定できる流量範囲は、流量計ごとに異なります。
自己保持 動作後の状態を保持するタイプです。接点動作やON/OFF条件を確認します。
動作確認 使用前に、実際の流量条件でスイッチのON/OFF動作を確認してください。

選定時の確認項目・関連ページ・よくある質問

流量計スイッチを選定する際は、流量条件だけでなく、電気仕様や設置環境もあわせて確認します。 また、出力信号や比較出力、表示計・変換器との組み合わせも確認すると、制御条件を整理しやすくなります。

検知したい流量 上限警報、下限警報、常用値検知など、検知したい流量条件を確認します。
接点方式 A接点、B接点、NO、NCなど、必要な動作方式を確認します。
出力方式 NPN、PNP、リード接点、光電センサ出力など、接続先に合う方式を確認します。
電源電圧・負荷 DC12〜24Vなどの電源条件、接点容量、負荷電流を確認します。
設置環境 磁性体、外部磁界、振動、周囲温度、配線引き回しを確認します。
流体状態 光電センサの場合は、流体の色や気泡の有無が動作に影響する場合があります。

確認のポイント: スイッチ設定範囲、ヒステリシス、ON/OFF動作、配線仕様は機種や使用条件により異なります。 必要な動作条件を整理したうえで、仕様書・図面・取扱説明書をご確認ください。

詳しい技術資料を確認する

このページでは、流量計スイッチの種類と選定時の確認項目を分かりやすく整理しています。 詳しい仕様や注意事項については、技術資料ページおよびPDF資料をご確認ください。

Q 流量計スイッチは何に使いますか?

流量が設定値を超えた、または下回ったことを検知し、警報や制御信号として外部機器に出力するために使用します。

Q A接点とB接点の違いは何ですか?

一般的にA接点は設定値より流量が上昇するとON、B接点は設定値より流量が下降するとONする考え方です。 実際の動作は仕様書で確認してください。

Q NPNとPNPはどちらを選べばよいですか?

接続するシーケンサやコントローラの入力仕様に合わせて選定します。 配線方式、電源電圧、負荷条件を確認してください。

Q ヒステリシスとは何ですか?

スイッチがONする位置とOFFに戻る位置の差を指します。 機種やスイッチ仕様、使用条件により異なるため、設定範囲とあわせて確認が必要です。

Q 光電センサを使う場合の注意点はありますか?

流体に色が付いている場合や、気泡が混入している場合は、光の透過や乱反射によって動作に影響することがあります。 使用流体の状態を確認してください。

流量計スイッチを選定する際は、検知方式だけでなく、接点方式、出力方式、電源電圧、負荷条件、設置環境を確認することが大切です。
使用条件が決まっている場合は、仕様に合うスイッチ・センサを確認してください。