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流量計の選び方ガイド

用途に合った流量計を選ぶために

流量計を選定する際は、流体の種類、流量範囲、圧力・温度、材質、出力信号、設置条件などを確認することが重要です。 このページでは、流量計を選ぶ前に確認したいポイントと、用途に合った流量計の選び方を分かりやすく解説します。

選定前のポイント: 流量計は「流量レンジ」だけで選ぶと、使用条件に合わない場合があります。 流体、温度、圧力、粘度、材質、配管条件、出力信号などをあわせて確認することで、より適切な機種を選びやすくなります。

流量計選定の基本ステップ

流量計を選ぶときは、最初に「何を、どのくらい、どの条件で測りたいか」を整理することが大切です。 以下の順番で確認すると、必要な仕様をまとめやすくなります。

1

流体を確認する

液体か気体か、水か薬液か、粘度や腐食性があるかなどを確認します。流体によって適した流量計が変わります。

2

流量範囲を確認する

最小流量、最大流量、常用流量を整理します。常用流量が測定レンジの中で安定して測れるかが重要です。

3

使用条件を確認する

圧力、温度、配管口径、材質、設置方向、出力信号、表示方法などを確認して機種を絞り込みます。

液体用・気体用の違い

流量計は、液体用と気体用で仕様や選定条件が異なります。 まず、測定する流体が液体なのか気体なのかを確認しましょう。

液体用流量計

水、純水、薬液、油などの液体を測定する流量計です。 流量範囲、粘度、比重、腐食性、接液部材質、圧力損失などを確認します。

気体用流量計

空気、窒素、酸素、アルゴンなどの気体を測定する流量計です。 使用圧力、温度、標準状態換算、単位表記、ガス種などを確認します。

注意: 液体用流量計を気体に使用したり、気体用流量計を液体に使用したりすることはできません。 液体と気体では流体の特性や校正条件が異なるため、必ず製品ごとの対応流体や仕様をご確認ください。

流量範囲の確認方法

流量計の選定では、最大流量だけでなく、最小流量と常用流量を確認することが大切です。 最大流量だけに合わせると、通常使用する流量域で見づらい、または精度が出にくい場合があります。

確認項目 内容 確認する理由
使用最小流量 実際の使用条件で測定したい一番小さい流量です。 低流量域で測定できるか、表示や出力が安定するかを確認します。
使用最大流量 実際の使用条件で想定される一番大きい流量です。 流量計の測定範囲、耐圧、圧力損失などを確認します。
常用流量 普段もっともよく使う流量です。 常用流量が見やすく、安定して測定できるレンジを選ぶために重要です。
単位 L/min、m³/h、mL/min、NL/minなど。 液体・気体、装置仕様、カタログ表記に合わせて単位を確認します。

目安: 面積式流量計などでは、常用流量が目盛範囲の中央付近に入るように選定すると、読み取りやすくなる場合があります。 詳細は製品仕様や使用条件により異なります。

測定方式の選び方

流量計には複数の測定方式があり、流体や用途によって向き・不向きがあります。 代表的な方式の特徴を把握しておくと、製品選定がしやすくなります。

方式 特徴 向いている用途の例
面積式流量計 フロート位置で流量を確認するシンプルな方式です。 現場での目視確認、装置内の流量監視、比較的シンプルな流量確認。
羽根車式流量計 流れによって羽根車が回転し、その回転を検出します。 液体の流量検出、パルス出力、積算流量の管理など。
カルマン渦式流量計 流れの中に発生する渦を検出して流量を測定します。 液体や気体の流量測定、可動部を避けたい用途など。
差圧式流量計 絞り機構などによる差圧から流量を求める方式です。 条件に合った仕様を選ぶことで、さまざまな配管条件に対応しやすい方式です。
電磁式流量計 導電性のある液体を対象に、電磁誘導を利用して測定します。 工業用水、排水、導電性のある薬液、スラリー液など。
超音波式流量計 超音波の伝播時間差やドップラー効果などを利用して流量を測定します。 製品構造によっては、配管の外側から非接触で測定できるものもあります。 液体や気体の流量測定、可動部を避けたい用途、圧力損失を抑えたい用途、 大口径配管やクリーンな流体の測定など。

補足: 電磁式流量計は、測定対象の液体に導電性が必要です。 純水や超純水など導電率が低い液体では、電磁式で測定できない場合があります。 純水・薬液・クリーンな液体の測定では、使用条件に応じて超音波式などの方式も検討します。

材質・接液部の確認

流量計は、流体が接触する部分の材質確認が重要です。 特に薬液、純水、腐食性流体、高温流体などでは、接液部材質シール材質を必ず確認します。

薬液・腐食性流体

耐薬品性を確認する

流体に対して本体材質、接液部材質、シール材質が適しているか確認します。 必要に応じて、使用濃度や温度条件も確認してください。

純水・洗浄水

材質と清浄性を確認する

純水や洗浄水など、清浄性が求められる流体では、 接液部材質や金属成分の溶出、配管材質との相性などを確認します。

注意: 同じ流体名でも、濃度、温度、不純物、使用環境によって適した材質が変わる場合があります。 不安がある場合は、使用条件を整理してお問い合わせください。

出力信号・表示方法の選び方

流量計は、現場で目視確認するだけでなく、PLC、表示計、制御盤、監視システムなどへ信号を出力して使用することがあります。 使用目的に合わせて、表示方法や出力信号を確認しましょう。

やりたいこと 確認する仕様 主なポイント
現場で流量を見たい 目盛表示、デジタル表示 見やすさ、表示単位、設置位置、読み取り方向を確認します。
PLCへ入力したい 4-20mA、1-5V、パルス出力など PLC側の入力仕様と流量計側の出力仕様を合わせます。
積算流量を見たい パルス出力、表示計、積算機能 1パルスあたりの流量やカウンタ入力仕様を確認します。
流量低下を検知したい 警報接点、スイッチ出力 設定流量、ON/OFF条件、接点容量などを確認します。

設置条件・配管条件の確認

流量計は、設置方向や配管条件によって測定状態が変わる場合があります。 製品ごとの設置条件、必要な直管部、配管口径、接続規格などを確認しましょう。

配管口径・接続規格 配管サイズ、ねじ規格、フランジ、チューブ接続などを確認します。
設置方向 水平、垂直、流れ方向など、製品ごとの設置条件を確認します。
直管部 測定方式によっては、上流側・下流側に直管部が必要になる場合があります。
圧力損失 流量計を取り付けることで発生する圧力損失が、装置条件に影響しないか確認します。

流量計選定でよくあるミス

流量計の選定では、条件の一部だけを見て選ぶと、実際の使用時に合わない場合があります。 よくあるミスを事前に確認しておくと、選定の失敗を減らしやすくなります。

よくあるミス 起こりやすい問題 確認したいこと
最大流量だけで選ぶ 常用流量が低すぎて見づらい、測定が安定しにくい。 最小流量、最大流量、常用流量をセットで確認します。
流体条件を確認していない 材質が合わない、粘度や腐食性の影響を受ける。 流体名、濃度、温度、粘度、腐食性を確認します。
単位を混同する L/minとm³/h、NL/minなどの換算ミスが起こる。 液体・気体の単位、標準状態換算の有無を確認します。
出力信号を後から確認する PLCや表示計と接続できない、追加機器が必要になる。 接続先機器の入力仕様を事前に確認します。
設置条件を見落とす 取付方向や直管部の条件が合わず、正しく測定できない。 設置方向、直管部、配管スペース、保守スペースを確認します。

流量計選定時の確認項目

お問い合わせや見積り依頼の前に、以下の条件を整理しておくと選定がスムーズです。 すべてが決まっていなくても、分かる範囲で条件をまとめておくことをおすすめします。

使用流体 液体・気体、流体名、濃度、粘度、腐食性、異物の有無。
流量範囲 最小流量、最大流量、常用流量、使用単位。
温度・圧力 使用温度、使用圧力、差圧、耐圧条件。
配管条件 配管口径、接続規格、設置方向、直管部、取付スペース。
必要な出力 表示のみ、4-20mA、1-5V、パルス、警報接点、表示計・変換器との接続など。
用途・目的 監視、制御、積算、警報、設備保護、研究開発など。

流量計の選び方に関するよくある質問

Q 流量計は流量範囲だけで選んでもよいですか?

流量範囲は重要ですが、それだけでは不十分です。 流体の種類、温度、圧力、粘度、材質、配管条件、出力信号などもあわせて確認する必要があります。

Q 液体用流量計を気体に使えますか?

原則として使用できません。 液体用流量計と気体用流量計では、流体の特性や校正条件、目盛などが異なります。 液体用として設計・校正された流量計を気体に使用すると、正しい流量を測定できない場合があります。 必ず製品ごとの対応流体や仕様をご確認ください。

Q 常用流量とは何ですか?

実際の運転中にもっともよく使用する流量のことです。 最大流量だけでなく、常用流量が流量計の見やすい範囲・測定しやすい範囲に入るかを確認すると選定しやすくなります。

Q 出力信号はどのように選べばよいですか?

PLCや表示計など、接続先機器の入力仕様に合わせて選びます。 詳しくは 流量計の出力信号について をご確認ください。

Q 条件がすべて決まっていなくても相談できますか?

はい。分かる範囲の条件だけでもご相談いただけます。 使用流体、流量範囲、温度、圧力、配管口径、用途などが分かると、よりスムーズに選定できます。

流量計の選定では、流体・流量範囲・使用条件・出力信号・設置条件を総合的に確認することが大切です。
条件に合う製品が分からない場合は、使用条件を添えてお気軽にご相談ください。